縁結びの神様として信仰される出雲大社。
実際に出雲大社に参拝すると、祓社で心身を清めずに参拝するNG行動を取っている方を多く見かけます。
出雲大社で縁結びの御神徳(御利益)を頂くには、最も良いとされる参拝ルートがあります。
このページでは、出雲大社の御祭神と御神徳、縁結びのご利益をいただくための参拝の順番、お守りの砂、神在祭、参拝できる時間と各地からのアクセスを紹介します。
御祭神と御神徳
- 主祭神:大国主大神
- ご神徳:縁結び
縁結びと聞くと結婚や恋愛をイメージされがちですが、縁結びは人間関係全般・仕事・食べ物・動物など、生活していく上でかかわる全ての物に対するご縁を結ぶことが「縁結び」です。
参拝する際は、まずは参拝させて頂けたご縁に感謝をお伝えしましょう。
参拝の作法
出雲大社の参拝作法は「2礼4拍手1礼」です。
一般的に「2礼2拍手1礼」なのは、神社によってばらばらだった参拝作法を明治時代に「2礼2拍手1礼」に統一したため。
出雲大社のように独自の作法がある特別な神社では、特別に異なる参拝作法が認められました。
4拍手をする理由は、出雲大社の大祭では「2礼8拍手1礼」をして、日常の参拝は半分の4回にしたため。
8は無限を表す数字とされることから、大祭などでは8拍手されています。
ご縁を頂ける参拝ルートとは
古くから地元の人達によって信仰されている参拝ルートは、神在祭で神様が上陸される「稲佐の浜」から始まります。
現在は、縁結びのご利益を頂けるとされていますが、出雲大社が正式なルートと認めているわけではありません。
気になる方は、縁結びのご神徳を頂けるよう願いながら、下のマップの順番で参拝してはいかがでしょうか。
1.稲佐の浜
最初に参拝する場所は「稲佐の浜」になります。
稲佐の浜は、神門通り正面の二の鳥居から歩いて約15分。
車の場合は、稲佐の浜の無料駐車場を利用しましょう。
神在月に海を渡って全国からやってくる神様達をお迎えする「神迎神事」は稲佐の浜で執り行われます。
弁天島に祀られたお社に参拝したら、浜の砂を袋に入れて持ち帰るのを忘れずに。
(弁天島は砂浜にありますが、昔は海岸線が手前にあり、沖にあったことから「弁天島」の名前が付けられています。)
稲佐の浜の砂を持参した袋に入れて持ち帰ることが大事なポイントになります。
2.祓社で汚れを清める
神様は穢(けがれ・汚れ)を最も嫌います。
そこで、下り参道を歩いて行くと右側に鎮座する祓社で心身を清めましょう。
祓社には4柱の神様がお祀りされ、気付かないうちに犯した罪や汚れを清めて下さいます。
祓社で身を清めたあとは、参道を進んだ先にある手水舎で手口を清めます。
神在祭や初詣では祓社に参拝する人の長い列ができてしまい、参拝までにとてつもない時間がかかるのが難点。
祓社が混雑している時は神楽殿の方へ回りましょう。神楽殿の手前にも祓社があり、そちらで心身を清めることができます。
神楽殿前の祓社は上のマップの★マークの祀られています。
上の画像の右側が、神楽殿前の祓社になります。
3.しめ縄がかけられた拝殿へ
手水舎で手口を清め銅鳥居をくぐったら、大きな注連縄(しめ縄)がかけられた拝殿で参拝。
参拝後は奥の御本殿の方向へ進みましょう。
4.本殿前の八足門
拝殿で参拝したあとは、御本殿前の「八足門」から御本殿に向かって参拝。
八足門で参拝をした後は右側に向かって歩くと、次に参拝する「十九社」が正面に見えます。
5.東十九社で全国の神様にお参り
十九社とは、神在月に全国から集った八百万の神様(やおろずの神様)が泊まるお社。
縁結びの会議「神議(かみはかり)」をする八百万の神様にお詣りすることで、より良いご縁が頂けるとされています。
6.素鵞社(そがのやしろ)で砂を頂く
御本殿の後ろに鎮座する「素鵞社(そがのやしろ)」。
御祭神は「素戔嗚尊(すさのおのみこと)」で、出雲大社の主祭神「大国主大神」の親神様になります。
御社殿の正面で参拝をしたら、お社の右側か左側へ。
御社殿の床縁下に砂が入った木箱が並んでいるので、稲佐の浜から持ってきた砂を砂箱に入れます。
砂を入れたら、同じ箱の違う場所から砂をすくって持ち帰りましょう。
この砂は素戔嗚尊のお力が宿っているとされ、お守りとして持ち歩いたり、自宅の敷地や田畑に撒き清めると良いとされています。
砂をいただいた後は、お社の後ろへ行くことも忘れずに。
素鵞社の後ろは「八雲山」という神域で立ち入ることができませんが、御社殿の後ろの岩肌は八雲山の一部で、ここでのみ触れることができます。
ここが出雲大社で最強のパワースポットという人や、龍穴があるという人もいますが、私は神道と西洋思想のパワースポットとは思想が異なると思っているので、パワースポットという言葉はそぐわないと思っています。
7.御祭神の正面でお詣り
素鵞社の次は、御本殿の西側(横)から参拝します。
西側から参拝する理由は、御祭神は御本殿の正面ではなく西側を向いているため。
上の画像の案内板と賽銭箱がある場所が、御祭神の正面になります。
なぜ西向きなのかは分かっていませんが、稲佐の浜が西側にあり、神在月に八百万の神が上陸するのをお出迎えするためという説が有力です。
8.西十九社
西十九社は東十九社と同じく、神在月に全国から集った八百万の神様がお泊りになる社です。
こちらでも、さらなる良縁を頂けるよう八百万の神様にお詣りしましょう。
ここで紹介した境内社の他に、祖霊舎や境外末社の命主社、都稲荷社など、たくさんの神様が祀られています。
ゆっくりと時間をかけて、境内・境外のお社を巡ってはいかがでしょうか。
美保神社と両参り
島根県松江市に鎮座する美保神社は全国の恵比寿神社の総本宮です。
出雲大社と美保神社の両参りが良いとされているのは、美保神社の御祭神が「三穂津姫命(みほつひめのみこと)」と「事代主神(ことしろぬしのかみ)」だから。
出雲大社の御祭神「大国主大神」の御后神と御子神を祀っていることから、両参りでさらなる良縁をいただけるとされています。
八重垣神社旅の鏡の池で縁結び占い
出雲大社の参拝後に行くおすすめスポットとして、八重垣神社の鏡の池が紹介されていました。
鏡の池とは松江市に鎮座する八重垣神社にある池で、縁結びの水占いができます。
八重垣神社の授与所で水占用の用紙を頂き、「鏡の池」にそっと浮かべて10円玉か100円玉をそっと乗せます。
15分以内に紙が沈んたら婚期や出会いが早く、30分以上かかると婚期や出会い遅くなるとか。
また、近くで沈むと身近な人にご縁があり、遠くで沈むと外国や遠方の人とご縁があるそうです。
銅鳥居は金運のパワースポット?
拝殿前の銅鳥居を触ったり、触りながら回ると金運アップするという噂があります。
出雲大社で唯一の銅製の鳥居であることから、金運のパワースポットと結びつけているようですが、パワースポットというのは真っ赤な嘘。根拠のない作り話です。
なぜなら、出雲大社の公式サイトで「出雲大社に古からある信仰ではありません」と否定されているから。
銅鳥居が金運アップのスポットになった理由は、ツアーのガイドが盛り上げるために作った話が広まったため。
金運アップすると書いてあるブログやサイトが散見しますが、本当に銅鳥居を触ったり回ってしまうと、金運アップしたいだけに見える残念な人になってしまうので、触ったり回ったりしないようにご注意を。
神在祭 2020年のスケジュール
神在祭(11月)になると、出雲大社には多くの人が参拝します。
実際に神様が出雲大社に集まるのは、神迎神事から始まる「神在祭」の期間だけなので、11月に入ってすぐに神様が集まるわけではありません。
気が早い神様は前乗りしているかもしれませんが、神迎神事で神様をお迎えします。
2020年の神在祭のスケジュールは以下のようになりますが、新型コロナウイルス対策のため、例年は立ち会える神事でも2020年は立ち会うことができなくなっています。
- 神迎神事・神迎祭
2020年11月24日 19時~
※一般の立ち会いは不可。「神迎御幣」の授与も中止。 - 神在祭
2020年11月25日 9時~
※一般の参列は不可 - 龍蛇神講大祭
2020年11月25日11時~ - 神在祭・縁結大祭
2020年11月29日 10時~
※事前申込者のみ参列可能(定員に達したため、申込みは締め切り) - 神在祭・縁結大祭
2020年12月1日 10時~
※事前申込者のみ参列可能(定員に達したため、申込みは締め切り) - 神等去出祭(からさでさい)
2020年12月1日 16時~
※一般の参列は不可
全国から出雲大社へのアクセス
出雲大社へのアクセスは、出雲空港か出雲市駅を経由すると便利です。
交通費をできるだけ安くしたい場合は、高速バスの利用がオススメ。
出雲市駅からは、「出雲大社方面行き」の路線バスが発着しています。
出雲空港(JAL・FDA)
出雲縁結び空港から発着する国内線は下記の9路線です。
- 新千歳:JAL(お盆シーズンのみ運行)
- 仙台:FDA(JALコードシェア便)
- 羽田:JAL
- 静岡:FDA(JALコードシェア便)
- 名古屋(小牧):FDA(JALコードシェア便)
- 伊丹:JAL
- 神戸:FDA(JALコードシェア便)
- 隠岐:JAL
- 福岡:JAL
出雲縁結び空港からは、「玉造温泉・出雲大社方面行き」の空港連絡バスに乗車。
※新型コロナウイルスの影響で、出雲大社方面へのバスは運休になっています。
空港から「松江しんじ湖温泉駅行き」のバスに乗り、「松江しんじ湖温泉駅」から一畑電車で「出雲大社前駅」へ。
もしくは、「松江駅」でバスを降りてJRで「出雲市駅」に移動。「出雲市駅」から「出雲大社行き」の路線バスに乗車する方法があります。
出雲市発着の高速バス
- 東京(夜行便)
- 名古屋(夜行便)
- 福岡(夜行便)
- 大阪
- 京都
- 広島
- 岡山
出雲大社ツアー
乗り換えが面倒だったり、自分で交通機関やホテルの手配をするのが大変なときはツアーが便利です。
また、両参りすると良いとされる美保神社は電車だと片道4時間ほどかかるので、車がないと行くのが大変。
効率よく神社を巡りたい場合も、ツアーだと楽に巡拝できます。
>>全国各地から出発【出雲大社ツアー】を検索(クラブツーリズム)
ツアーは「出雲大社」と入力して検索すると、該当ツアーが出てきます。
参拝時間と授与所の受付時間
出雲大社の参拝時間と授与所やご祈祷の受付時間です(新型コロナウイルス対策により短縮されています)。
参拝時間以外にも参拝することは可能ですが、銅鳥居の先にある拝殿や八足門、素鵞社(そがのやしろ)などの前で参拝することはできません。
参拝時間以外は、銅鳥居の前での参拝になります。
- 参拝時間:6時~18時
- ご祈祷受付時間:9時~16時
- 授与所受付時間:7時~18時
温泉に入れる周辺ホテルと早朝参拝
出雲大社の徒歩圏内で温泉に入れるホテルは「いにしえの宿佳雲」と「お宿月夜のうさぎ」の2軒あります。
どちらも、天然温泉大浴場や無料の貸切風呂を利用できるのが魅力。
宿泊者限定「八足門内での早朝参拝」も申し込めるので、早朝参拝をしたい方にもオススメです。
「お宿月夜のうさぎ」の宿泊記は姉妹サイトを下のリンクからご覧ください。
出雲大社の詳細
- 正式名称:出雲大社(いづもおおやしろ)
- 住所:島根県出雲市大社町杵築東195
- 最寄駅:
一畑電鉄「出雲大社前駅」から徒歩約15分
JR・一畑電鉄「出雲市駅」からバス - 駐車場:あり(約760台・無料)
- 参拝可能時間:6時~18時(通常時は6時~20時)
- 授与所受付時間:7時~18時(通常時は6時~20時)
- 参拝所要時間:1~3時間
※このページの内容は参拝時、および執筆時のものになります。