和歌山県新宮市に鎮座する神倉神社に参拝して、熊野速玉大社で限定の御朱印を頂きました。
神倉神社はゴトビキ岩をご神体とする、熊野速玉大社の摂社です。
このページでは、神倉神社の御祭神と御神徳、まるで登山のような階段の段数と所要時間、御朱印や御朱印帳をいただける時間と初穂料、駐車場やアクセスについて、実際に参拝した経験をもとに紹介します。
御祭神と御神徳(ご利益)
御祭神
- 高倉下命
- 天照皇大神
御神徳(ご利益)
- 国土安泰
- 開運
- 勝運
公式サイト等では神倉神社のご神徳を謳っていませんが、あえてご神徳をあげるとすれば、このようになります。
御神体のゴトビキ岩と熊野信仰の始まり
神倉神社の御神体は大きな岩で「ゴトビキ岩」と呼ばれています。
原始信仰、自然信仰時代に巨岩に神が宿るとされてきたことから、古来の信仰の形を残しているため社殿はありません。
また、熊野の神が熊野三山に祀られる前に、一番最初に降臨された場所と伝えられています。
ゴトビキ岩の「ゴトビキ」は方言で「ヒキガエル」のこと。
どっしりとしたヒキガエルに形が似ていることから、「ゴトビキ岩」と名付けられたのかもしれません。
岩にかけられた注連縄は、毎年2月6日に行われる「御燈祭(火祭り)」でかけ替えられます。
急な石段と猿田彦神社などの境内社
神倉神社に参拝するためには、まずは太鼓橋を渡ります。
(参拝者専用駐車場は、太鼓橋の手前左側にあります。)
太鼓橋のほぼ正面に鎮座する猿田彦神社と神倉三宝荒神社。
猿田彦神社の祭神「猿田彦命」は道開きの神。
神倉三宝荒神社の祭神は「火産霊神」と「誉田別命」で、願望成就、商売繁盛の御神徳をいただけると伝えられています。
猿田彦神社と神倉三宝荒神社から進むと、手水舎があります。
まずは、手水舎で手と口を清めましょう。
手水舎から前に進むと、石段の登り口と鳥居が右手に見えてきます。
石段の前に立つと、想像以上に急で長くて、すでに引き返したい気持ちになりました。
登り始めてすぐに息が上がり始めましたが、鳥居の前後の石段は、これでも登りやすいと後になって知ることに。
数分登ると、垂直に見えるランダムな石段のエリアになります。
ここが一番キツイ場所。途中で足を止めながら、事故を起こさないようゆっくりと進みました。
御燈祭(火祭り)では、松明(たいまつ)を持った祈願者がこの急な石段を、一気に駆け下りるというのが信じられません。
階段の中間地点あたりに祀られた火神社と中ノ地蔵堂。
お社の前は平らで少し開けているので、途中で休憩するのに最適です。
数分休憩してさらに進むと、前半よりは登りやすい整った階段になります。
階段を登り終えると鳥居が見えます。
ここまで来れば、あとは少し坂を歩くだけ。
鳥居をくぐると、右側に古そうな手水鉢が。
黒雲母花崗斑岩(くろうんもかこうはんがん)を加工して作られた手水鉢は、1631年(寛永8年)に新宮城主第2第の水の重良が寄進したものです。
手水舎の斜め上に鎮座する宝満社。
大きな岩の先に朱塗りの拝殿が見えます。
拝殿の近くまで来て、ようやくゴトビキ岩を見ることができました。
想像していた以上に巨大なゴトビキ岩と朱塗りの拝殿。
古来より信仰されてきた独特の空気は、参拝して初めて感じることができます。
石段は本当にキツかったけれど、頑張って登って良かったと思いました。
女坂から登ることも可能
中間地点の火神社と中ノ地蔵堂の右横には「女坂」の案内板が立っています。
階段はキツイから女坂から進もうと思って、矢印の方向を見ると下の画像のように道なき道があるだけ。
私が参拝したとき、前後に10人くらいの家族連れやグループがいましたが、女坂から登拝する人はゼロ。
60歳以上のご夫婦や小学校低学年くらいの子供も、階段を登っていったので私も階段を登ることにしました。
どうしても階段がキツイと感じるときは、女坂ルートでも良いと思いますが、女坂の先は比較的登りやすい階段になっています。
段数と往復の所要時間
神倉神社の階段は538段。しかも前半は、ほぼ垂直にも感じる急勾配です。
神倉神社に詳しい和歌山県の宮司さんに所要時間を聞いたところ、「15分くらい」とのことでした。
ところが、運動不足で普段は歩かない私は登りの途中でヘタってしまい、ゴトビキ岩まで35分弱かかりました。
健脚な方や山道を歩きなれている方なら、往復30分あれば参拝できると思います。
私のように歩きなれていない上に、年齢も高めで運動不足の方は、60~70分の所要時間を見越しておくことをお勧めします。
さらに注意したいのが、人が多いと参拝に時間がかかる点。
拝殿手前の石段は左右に柵などがなく、人がすれ違える程度の幅しかありません。
拝殿の前は2~3人立つくらいのスペースがあるだけです。
人が多いと前の方の参拝が終わるまで、階段の途中や下で待つことになります。
私が参拝したとき、前に年配の方を含む数人の方が参拝していて、5分少し待って参拝することができました。
参拝者が多いときは、階段の往復の所要時間の他に、さらに待つ時間がかかることも織り込んでおきましょう。
ほぼ登山の石段は雨の日や服装に注意
神倉神社の公式サイトには、ヒールの高い靴での参拝や体調の悪い時の参拝は控えるよう注意喚起されています。
また、石段に使われている石は平らではない部分も多く、雨の日は滑りやすくなるため、足腰に自身がない方は避けたほうが良いかもしれません。
石段の途中はよじ登るような場所もあり、神倉神社の参拝はハッキリ言って「ほぼ登山」です。
危険を感じたら無理に登らないことをお勧めします。
車椅子や足が悪い方の参拝方法
神倉神社の御神体「ゴトビキ岩」に行くルートは階段と、途中からの女坂(舗装されていない獣道のような山道)しかありません。
従って車椅子でゴトビキ岩まで登拝することは不可能です。
また、足が悪く体力がない場合、降りる時が危ないと思うので、体力的に厳しいと思うときは階段下から遥拝するのが賢明だと思います。
新宮市街と海の絶景も楽しめる
ゴトビキ岩の下は展望スペースがあり、新宮市と海を見晴らすビュースポットになっています。
参拝後、目の前に広がる青い海と新宮の街並みを眺めるのは格別。
飲み物を持って登拝して、風景を楽しみながら休憩してはいかがでしょうか。
電車とバスのアクセス
神倉神社へのアクセスは、JR新宮駅から太鼓橋まで徒歩約15分です。
神倉神社周辺の道路は道幅が狭いまで、すぐ近くにバス停はありません。
なお、熊野速玉大社からのアクセスは徒歩10~12分です。
神倉神社の駐車場は2ヶ所
神倉神社の参拝者専用駐車場は2ヶ所あります。
第一駐車場は太鼓橋手前にあり8台駐車可能。
少し離れた第二駐車場は12台駐車できます。
熊野速玉大社から駐車場の行き方が分からない場合は、授与所などで巫女さんや神職さんに行くと、詳しい行き方を教えてもらえます(地図を頂くこともできます)。
参拝可能な時間
神倉神社の参拝可能時間は、24時間いつでも自由に参拝できます。
24時間いつでもと書きましたが、街灯もない急な階段を夜に登るのは危ないので、明るい時間に参拝することをお勧めします。
御朱印の受付時間と初穂料
神倉神社の御朱印は、熊野速玉大社の授与所で頂けます。
御朱印の種類は、通常御朱印300円と特別御朱印500円の2種類。私は特別御朱印を頂きました。
私が参拝したときは、新型コロナウイルス対策のため、いずれも書き置きのみでした。
授与所の受付時間は8:30ごろ~17:00(※季節により変動あり)です。
御朱印帳のデザインと初穂料
御朱印帳は熊野速玉大社で頂けます。
神倉神社専用ではありませんが、熊野速玉大社の社殿をデザインした御朱印帳と、「世界文化遺産 紀伊山地の霊場と参詣道」の文字が入った木製表紙御朱印帳の4種類が並んでいました。
御朱印帳の初穂料は1,700円・2,000円・2,500円です。
神倉神社の詳細
- 住所:和歌山県新宮市神倉1-13-8
- 最寄駅:新宮駅より徒歩約15分
- 駐車場:20台駐車可能(第1駐車場と第2駐車場・無料)
- 参拝可能時間:自由
- 参拝所要時間:40~70分
- 御朱印:あり
- オリジナル御朱印帳:あり
- 授与所受付時間:8時~17時
※このページの内容は参拝時および執筆時に調べた情報になります。現在は受付時間や初穂料などが変更になっている可能性があります。