多度大社に参拝して御朱印を拝受しました。
多度大社は「お伊勢参らば お多度もかけよ お多度かけねば 片参り」と謡われていた古社で、現在も伊勢神宮と両参りをする参拝者も多い神社です。
多度大社は最寄駅から遠くアクセスが悪いですが、今回は名古屋から電車を使って参拝。
このページでは、多度大社の御祭神とご神徳、上げ馬神事とは何か、御朱印帳と御朱印の種類、電車とレンタサイクルのアクセスを紹介します。
御祭神と御神徳(ご利益)
本宮と別宮には4柱の神様が祀られています。
- 天津彦根命(あまつひこねのみこと)
- 面足命(おもだるのみこと)
- 惶根命(かしこねのみこと)
- 天目一箇命(あめのまひとつのみこと)
公式サイトでは御神徳(ご利益)については触れていません。
神社に参拝するのはご利益を頂くためではなく、大神様に感謝と決意をお伝えするのが基本なので、御神徳は表記する必要がないためからと推察されます。
主祭神の主なご神徳を紹介します。
天津彦根命のご神徳
- 諸産業の守護
- 雨乞い
- 災難除け
天目一箇命のご神徳
- 金属工業守護
- 農業守護
- 漁業守護
- 眼病守護
アクセスは電車とレンタサイクルが便利
多度大社の最寄り駅は、養老鉄道の多度駅になります。
名古屋駅から多度大社へのアクセスは、JRか近鉄で桑名駅まで移動し、桑名駅で養老鉄道に乗り換えます。
養老鉄道は桑名駅から揖斐駅間を運行する近鉄グループの鉄道会社で、ICカードは使えません。
ホーム手前にある券売機で切符を購入できますが、自販機で使えるのは硬貨か1,000円札のみ。
小銭か1,000円札を用意しておけばスムーズに切符を購入できます。
ちなみに、桑名駅から多度駅までの運賃は310円です(2020年11月現在)。
ローカル線だからボロい車両なのかな?と想像していたら、意外にも新しめの乗り心地が良い車両でした。
桑名駅を出発して約13分で多度駅に到着。
白馬伝説にちなんで、白馬の形をした駅名標になっているようです。
多度駅から多度大社までの距離は約1.8km。
歩くと25~30分かかるので、駅のレンタサイクル100円を借りました。
駅から多度大社まで、ゆるい上り坂が続くので自転車だと少しキツイのが難点。
ですが、中間地点で少し休んだだけで、約10分で多度大社に到着。
帰りは下り坂なので、のんびり自転車をこいでも7分くらいで駅に到着して楽に移動できました。
境内の見どころ
鳥居と階段手前(道路近く)に鎮座する末社「鉾立社(ほこたてしゃ)」。
御祭神は天久之比命(あめのくしひのみこと)です。
鳥居と階段。
鳥居に向かって左側の階段横が坂になっていて、上げ馬神事が行われます。
手水舎の手前に鎮座する、摂社 新宮社。
御祭神は天津彦根命幸魂 (あまつひこねのみことさきみたま)と天目一箇命幸魂 (あめのまひとつのみことさきみたま)の2柱。
本宮と別宮の御祭神の幸魂が祀られています。
手水舎と末社 雨宮八幡社(あまみやはちまんしゃ)。
雨宮八幡社の御祭神は、天之水分神(あめのみくまりのかみ)・國之水分神(くにのみくまりのかみ)・品陀別命(ほんだわけのみこと)の3柱。
手水舎から少し進むと本宮に続く階段があり、この辺りから木々に覆われて少し薄暗くなります。
緑色が濃い不思議な空気が流れていました。
参道を進んで行くと、左側に末社の皇子社が祀られていました。
御祭神は、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命・天之菩卑能命・活津彦根命・熊野久須毘命・多紀理毘賣命・多岐津比賣命の6柱です。
皇子社の少し先に祀られている招魂社。
招魂社の少し先に鎮座する朱塗りのお社が、摂社の美御前社。
御祭神は、市杵島姫命で本宮の御祭神の妹神です。
女性特有の病のご加護や、美容・芸能の神として女性から篤く信仰されています。
於葺門。門の先は本宮と別宮が鎮座する最も神聖な場所になります。
於葺門をくぐった先には川が流れ、橋の向こう側に見える左側のお社が本宮、右側が別宮です。
本宮の手前は数段の滝になっていて、御神気に満ちている感じがしました。
本宮。滝と岩の間にお社があります。
別宮。
本宮と別宮の周辺は木々の緑に覆われ、周辺は明るいのにお社の周りだけ薄暗く、神秘的な空間でした。
行きは階段を上り、帰りは坂道を下ります。
晴天でとても明るい時間帯ですが、参道は木々に覆われて薄暗いため、灯籠に明かりが灯っています。
坂道を下る途中に階段があり、川の水で身体を清めることができます。
参拝した日は小さな子ども達が楽しそうに、川に手を入れていました。
最後に参集殿で御朱印を頂きました。
入口近くには、福龍茶釜が飾られています。
とても大きな茶釜で、2頭の龍が見事だったのでパシャリ。
福龍茶釜で神泉の清水を沸かし、飲んだ人は霊憾を覚えると言われているそうです。
多度駅に戻り、ホームから見えた真っ白な大鳥居。
駅からは多度大社と反対側にあるので行きませんでしたが、車の方は下を通ると良さそうです。
上げ馬神事と怪我による安楽死
上げ馬神事とは、多度祭中の神賑行事。
御厨は6地区から選出された騎手が、急坂を駆け上がる「上げ馬」を行います。
上げ馬神事では、馬の上り具合によって農作の時期や豊凶、近年では景気の良し悪しも占われるようになりました。
テレビで見ると、上げ馬が行われる坂はそれほど急に見えませんが、実際に見ると急勾配で馬が上がるのがとても大変なことが分かります。
私が気になったのは、恐ろしいほどの急勾配の坂をサラブレッドに上がらせると、馬の能力の限界を越えてしまこと。
過去、即死したり骨折して安楽死という悲しい出来事が何度も起きたそうです。
サラブレッドは脚が細く、脚の骨折は予後が悪くほぼ100%安楽死という結果になります。
2023年の上げ馬神事では、1頭の馬が骨折をして安楽死させられた悲しい結果になりました。
古来より日本で飼われていた脚の太い馬ならともかく、サラブレッドで現在の神事を行うのは無理があると思います。
今後は坂をゆるやかにするなど、馬に負担をかけないよう神事を見直し、伝統を継承していければいいなと思いました。
馬の授与品
神馬舎の横には、白馬の根付や色紙などが並んでいます。
可愛らしい白馬の根付は500円でした。
絵馬掛けには9枚の絵馬が連なった「うまくいく絵馬」がかけられていました。
うまくいく絵馬は「奉・納・う・ま・く・い・く・絵・馬」のそれぞれの文字と白馬が描かれ、裏面に願い事を書いて奉納します。
御朱印帳の種類と初穂料
多度大社のオリジナル御朱印帳は、通常のデザイン2種類(4色・2色)と、午の日のみ頒布される限定御朱印帳の2種類になります。
通常の御朱印帳は、白馬デザイン(白・紺)と花デザイン(ピンク・青・黄色・オレンジ)で、初穂料は1,500円。
御朱印料は別途必要です。
限定の「跳ね起き馬 御朱印帳」の初穂料は、馬が起き上がる立体御朱印込で2,500円。
限定御朱印帳は、午の日・正月三ヶ日・5月3~5日のみ授与されます。
御朱印の種類と初穂料
多度大社では3社の御朱印を頂くことができます。
多度大社の御朱印。
別宮 一目連神社の御朱印。
摂社 美御前社の御朱印。
御朱印の初穂料は、御朱印帳に浄書が500円。書き置き(紙)が300円です。
8月1日~9月30日は御朱印帳への浄書は中止し、書き置きの御朱印のみだったので、3社分の書き置き御朱印を頂きました。
多度大社の詳細
- 住所:三重県桑名市多度町多度1681番地
- 最寄り駅:養老鉄道 多度駅より徒歩約25~30分
※駅にレンタサイクルあり - 駐車場:あり
- 参拝所要時間:20~40分
- 御朱印の受付時間: 8:30~17:00
- ご祈祷の受付時間: 9:00~16:30
- オリジナル御朱印帳:あり
- 御朱印:あり
※このページの情報は参拝時および執筆時のものです。現在は社務所受付時間や初穂料などが変更になっている可能性があります。